2014年6月7日(土)13:30-15:30
講師:木下栄三(建築家、画家、江戸検定一級)
場所:◎集合/JR 四ツ谷駅 麹町口◎解散/地下鉄銀座線 虎ノ門駅周辺*雨天決行、荒天中止
予約:要|料金:2,000円|定員:20名|対象:小学校高学年以上
*本イベントは定員に達したため、申込受付を終了致しました。何卒ご了承下さい。
江戸検定一級を持つ建築家/画家・木下栄三さんの今昔絵とともにたどる江戸・東京の歴史と物語
「山王祭」が開催される日枝神社を中心に、周辺の歴史や史跡をたどりながら江戸を感じるまち歩きです。
出発地点の四ツ谷駅から虎ノ門までの間には、4つの見附があるのをみなさんはご存知ですか?
今回のまち歩きでは、江戸城外濠を歩きながらそれぞれの見附を巡り、日枝神社はもちろん、
山王祭の昔の神幸路や歌川広重による江戸百景の面影もたどります。
ご案内頂くのは、建築家であり画家、そして江戸検定一級をお持ちの木下栄三さん。
木下さんは、建築の設計を本業としながら画業も続け、神田の町を40年近くスケッチし続けています。歴史や文化に親しみながらその遺産を記録し、絵として伝えることをライフワークとするなかで、ここ数年は特に「皇居と江戸城」に焦点を絞り研究を続けています。
2012年に完成した「江戸重ね絵図」は、江戸城が現在の皇居の中でどういう位置関係であったのか、東御苑の石垣、樹木から堀までを4年以上かけて検証・測量し描かれました。今年3月にはその指標となった樹木や草木の記録とスケッチをまとめた「皇居東御苑の草木帖」(技術評論社)も出版されました。
「徳川十五代将軍菓子づくし」では、徳川将軍15代の各将軍にふさわしい和菓子を考案(ちなみに、初代家康の和菓子は「天下餅」、5代将軍・綱吉は「犬の人形焼」)。和菓子店と共同のもと、実際の制作・販売に向けて開発を進めています。
そして、今回のまち歩きにも関連するのが、皇居(江戸城)を中心とした外濠ならびに見附の復活構想。江戸時代の見附には、90もの御門があったと言われますが、多くは既にその姿を失っています。そのなかでも現在残っている見附をまとめ、絵と文で記録しているのが「新江戸三十六見附」。三十六見附は平均して1.2キロごとに一つ。木下さんの提案は、外濠・見附の可能性を掘り起こし、東京にある貴重な遺産・財産として未来へ残していくこと。各見附を公園として整備すれば、散歩コースや観光名所として人が集う場所となります。三十六見附の堀をすべて掘り起こし、そこに水を入れると周辺地域の気温を2度下げることができるなど、環境面を考えた活用の仕方も考えられます。また、緊急医療の設備や情報板、備蓄場所を設置すれば防災拠点としても機能します。観光、環境、防災、継承・・・外濠や見附が東京の中心的存在を担う姿を、木下さんは描き発信しています。
この4月からは、そんな想いや未来への展望が詰まった、江戸城周辺の門を訪ね歩く「江戸城今昔」の連載が朝日新聞でスタート。「江戸体感・発見まち歩き」では、昔と今の姿を重ねた木下さんの「今昔絵」が実際に描かれた場所にも立ち寄り、江戸時代の風景と今の東京の姿が重なる臨場感たっぷりの景色を味わいます。
江戸城や各見附にまつわるお話、外濠の「これまで」と「これから」の姿など、建築やまちづくり、江戸の文化歴史に深い造詣を持つ木下さんならではのご案内で、江戸から流れる時間とまちの物語を見て・聞いて・感じてみませんか?
木下栄三(きのした・えいぞう)
1950年名古屋生まれ。東京・神田に勤務するようになって既に40年近くになる。現在建築の設計を生業とし、合わせて画業も自身の生き方の一つとして続けている。さらに画業の一部として歴史や文化に親しみながらその遺産を記録し、絵として伝えることをライフワークとしている。ここ数年はその中でも特に「皇居と江戸城」に焦点を絞って、千代田、あるいは東京という都市との関連を眺め、その中から未来に向けた姿を考えることに興味を持って研究を続けている。